株式会社 サンライフ

若者が積極的に林業に携わることが森林再生につながるかもしれない

森林再生とは、森林がそのままでは機能しない、働かない状態から、また働く状態にすることです。
高度成長が始まった1960年代に植樹した木は今伐採時期迎えています。
しかし、最近では木質資源の利用は木造家屋の減少、デジタル家電によるペーパーレス化などにより低迷しています。
また、伐採をしても採算が合わないということから伐採を可能な限り延長しているという実情があります。
木材の伐採が延長されることにより、森林密度は増加にする一方で、
森林の質の低下、新たな植林が進まない、成長した木は二酸化炭素を吸収しない等ということで、
地域資源循環に支障が生じます。
そこで、木質資源の新たな需要先として熱・サーマル利用に着目して、
経済価値の高い電力へ変換する発電事業を推進していくことで、林業の活性化や地域雇用の促進につながると考えています。
このことで、森林再生にも貢献でき、資源循環型社会の実現に貢献できるとし、
地域によってはグリーン発電を実施しているところがあります。
今、林業を新たに活性化させることで不要な木材を伐採でき、森林活性につながります。
このために、大規模木材加工工場の原料基盤を海外からの輸入木材に頼るのではなく、
国産材にシフトすることを試みています。
バイオマス発電所の稼働なども良い意味で影響して少しづつ木材生産量が増加しています。
また、最近では都市から山村に移住して林業を始める20~30歳代の若者の増加していることも
森林再生に一役かっています。
林業の従事者の平均年齢があがる一方でしたが、このように都市部からの若者が林業に興味をもち、
はじめることで木が伐採され、林業も盛んになり森林再生にもつながります。
このような動きは2000年代になって「田園回帰」という言葉として注目されてきましたが、
2011年の東日本大震災以降から、徐々に広がりさらに強まっている現象です。
都会から移住してきた若者たちは林業を専門にするのではなく他の仕事と林業を兼業する人が多いことにも注目されます。
林業と組み合わされる職業として多くみられるものは、農家、アウトドアスポーツのインストラクター、
飲食店経営者、写真家、華道家、木工家、出版業者、ITを用いたサービス業者など多様な自営業であることが多いようです。
林業はもうひとつの副業として他の職業とマッチングしやすいようです。
林業はチェーンソーと軽トラックで薪生産から始めることができます。
また、初期投資が少ないことを理由に新規での参入を許しているようです。
林業が持ち合わせる仕事自体に魅力を感じる若者が多く、間伐後に森に光が差しこんできた時の美しさや、
先人の営みに続き作業することなど森林再生につながるような点にも魅力を感じているようです。
これらは、未来へのつながりを実感したり、水源の環境を守る使命感など都会の仕事にはない魅力があるでしょう。
また、薪生産から優れた建築材生産へとレベルを上げていくという技術習得の奥深さに面白さを感じる若者もいるようです。
このような一人一人の小さな働きが放置され続けた森林を再び生き返らせるという
森林再生につながっているのではないでしょうか。
森林再生が環境に与える影響も非常に重要だと思います。
若者の林業への新規参入を可能とするものとして森林を持たずに参入可能な「自伐型林業」ということです。
これは森林を所有していない都市の若者でも、家族や仲間と自営の林業ができるところに意味があります。
これは、砂崩壊や土砂流出を抑止する防災的な役割や森林内の植物や生物を保全する役割などがあります。
政策的に推進されている短伐期の大規模林業に比べて、自伐型林業は森林に与える影響が少なく、
環境保全面で優れているため、これらも森林再生につながっているといえます。
森林再生というと難しく感じますが、都市部から若者が戻りそこで生活し、
林業などに携わり続けていくという日々の暮らしが環境にもよい影響を与えることにつながるのかもしれません。