チェーンソーを用いて森林伐採を行う林業について、一般の方々が事業内容に触れる機会はあまりないでしょう。
しかし、自然を相手にする林業です。
ぜひ、知って頂きたいのは、労働災害に巻き込まれないように安全対策・防止の実施を行っている者がいることです。
今回は、労働災害にまつわるお話です。
成長産業化
森林・林業を取り巻く状況については、今、造成された人工林を中心に、森林資源が成熟を迎えています。
そのため、本格的な利用へ向けて「伐って、使って、植えて、育てる」という形を循環させなければなりません。
それにより林業の成長産業化が行えます。しかし、森林資源の適切な管理も両立させなければならず、林業に携わる者は急務に追われています。
なお、成長産業については、生産高や売上高が過去にピークを記録していながらも、現在まで低下せず、将来の不振が見られないことを指します。
そして、一般の方々には知る術がない林業の作業については、1年を通して「地ごしらえ」「植栽」「つる切りや枝打ち」「除伐や間伐」が行われます。
チェーンソーを用いた伐採した跡地を整理し、さらに苗木を植え、成長産業化を図っています。
労働者や労働災害について
林業は全国各地で行われ、急務に追われる事業者も少なからずいます。
このため、長期にわたる持続的な経営を実現させるために、林業経営そのものの育成と、現場で作業を担う林業労働者の安定的な確保が必要不可欠になります。
また、新規参入者の確保に加え、既に事業とされている方の林業への定着を促すために、所得や福利厚生など、就業条件の改善は絶対条件になるでしょう。
加えて、全産業のなかでもっとも高い労働災害発生率となっている労働環境を改善することが重要になっています。
労働災害とは
労働災害とは、林業技士を含め作業中の病気やケガ、通勤中の交通事故、作業中の死亡事故といった災害のことを指します。
近年、ストレス性の精神疾患や長時間労働による過労死なども、労働災害として認定されています。
推進
このような状況を踏まえ、事業者のなかには「農林産業の作業安全のための規範」を策定するケースもあります。
労働安全対策を強化していくことにより労働災害を未然に防止することに期待が持たれています。
そして、林業の労働安全確保対策を効果的に進める観点から、最近の林業労働災害の発生状況の分析を基に、林業労働安全対策の強化について話し合いの場も作られています。
経営者、労働者、その家族、そのほかすべての関係者が日々の幸せに繋がるためでもあります。
継続発展するための前提として、このような取り組みを分野問わず推進して行く流れが構築され始めています。
死亡事故が起きないように安全確認は必要不可欠、作業中はひとりで行動しない・させないフォロー体制を強化、労働者の体調管理も視野に、休日をしっかり設けることも経営者の義務になります。
働く喜びややり甲斐のある事業でもあり、参入してくる者を受け入れる形や仕組みをしっかり構築したうえで求人募集も行なわれます。
林業が衰退してはさまざまな産業に影響をおよぼすため、これからの活性化、成長産業化が注目されています。
おわりに
いかがでしたか。一般の方々に馴染みがない分野の労働災害についてお話ししました。
急務に追われることにより心身ともに追い込まれるケースもあります。
もちろん、この労働災害は林業に限らずです。安心安全に事業を展開するためには、労働条件の見直しは必要不可欠。
どうぞ、事業の奥深さだけでも知っておいて下さい。