森林を対象に林業を行っている人々にとって深刻な問題は、担い手不足です。
この問題は、他の産業に比べてもより深刻といえるでしょう。
そういった中で、担い手募集をサポートしているのが今回紹介する「緑の雇用」です。
今回は、この緑の雇用についてどのようなサービスなのか、運営元はどこなのかといった疑問について解説していきます。
この記事を読めば、きっと緑の雇用の活動が分かるでしょう。
それでは解説していきます。
林業の担い手を育成する緑の雇用とはどんなサービスなのか
緑の雇用は林業の担い手を育成するために未経験者でも技術の習得を促し、林業経営を行う事業体に勤務後もキャリアアップの支援を行う制度です。
林業は単に気を伐採して木材にするだけではありません。
その間には様々な技術が要求され、安全な林業を行うには、十分な知識も必要です。
そう言ったことから敷居が高い印象もあり、担い手不足は慢性的な問題となっています。
そう言った問題を解決するために緑の雇用は重要な役割を果たしているといえるでしょう。
ここで緑の雇用の担い手を育成する内容を紹介します。
最初に緑の雇用は林業の担い手を希望する方を募集します。
ここでは林業について高校や大学で学んだ方だけでなく、未経験の方も幅広く募るのが特徴です。
集まった人材を就業体験によって林業の実際の状況を知ってもらいます。
もちろん、最低限の安全を確保し、円滑な就業体験をしてもらうために事前にガイダンスによる座学を実施する活動もしています。
ここで就職希望をする方のあっせんを行い、林業に従事していただく形です。
各地の森林組合の現場職員または民間の造林会社、素材生産会社等の林業経営体に就職し、林業の担い手として活躍します。
この支援を緑の雇用は行っているのです。
緑の雇用の運営は林業の担い手を募集する組織
緑の雇用は、公的な事業として行われています。
平成8(1996)年度に「林業労働力の確保の促進に関する法律」が制定されたことをきっかけに、平成22(2010)年度の林業労働者のキャリア形成支援を施策の柱としたことから事業が開始されました。
事業開始以前は新規就労者が2,000人前後と全国的にも深刻な担い手不足に陥っていました。
しかし、緑の雇用開始後は年間3,200人程度に増加し成果を上げています。
このように民間のサービスではなく国家規模のサービスとして林業の担い手を育成しているのが緑の雇用なのです。
担い手の募集だけじゃない緑の雇用の活用
緑の雇用は担い手募集だけでなく、従事している人の支援も行っています。
キャリアアップ支援というのがそれに当たり、林業従事者がフォレストワーカーとして勤務を開始する際には、伐倒作業などの技能支援をしたり、講習会を開催して技術向上に務めたりします。
5年以上勤務した方は現場の管理を学ぶためにフォレストリーダーとしての仕事も行います。
この現場管理の講習会を開催するなどの活動もしています。
10年以上のキャリアの方は統括現場管理責任者、フォレストマネージャーとしての研修を行い、高効率の現場管理方法を学んでいただくようにしています。
このように担い手の募集だけでなく、就職後の活動についても指導を行っています。
まとめ
緑の雇用は林業の担い手を募集育成する事業です。
人材不足の林業業界に新しい人材を雇用するだけでなく、現場から管理までの一連の育成を行うことでも知られています。
こういった事業を利用して林業の新しいキャリア形成をして行くのも林業に勤務する方にとっておすすめの手段といえるでしょう。