株式会社 サンライフ

林業の環境問題の現状、取り組みについて知っておこう


 

林業といえば森林伐採というイメージがついていますが、環境問題の重要な題材としても取り上げられています。
ちなみに、世界ではものの数分で、東京ドーム約2個分もの森林が伐採されているようです。
こうした問題に対しての現状を知ることはもちろん、日本ではどのような取り組みがされているのでしょうか。
 

日本の林業の現状

人口増加、産業発展などによって森林の増減(変化)はこれまでもありましたが、
日本の森林面積に関していえば、約50年ほどは同じ数値なのだといいます。
森林には、人工林と天然林があるのですが、森林面積は横ばいなのに天然林の減少が目立っています。
日本の林業としていえるのは、森林蓄積を増やすことに取り組んでいるのではないかと言われています。
森林蓄積は、そのまんま森林資源量の目安ですが、木材として利用できる木を増加させているのが現状です。
現在の環境問題を考慮し、天然林の伐採をする代わりに植樹を行うことにより、
森林保全に努めているのではないでしょうか。
このことからも、日本では森林資源が充実していることも分かるでしょう。
それと平行するように、森林面積が変わらずその分森林蓄積を増やしているのであれば、
森林伐採が減少するのではないでしょうか。
 

林業の環境問題について

しかしながら、森林資源として利用する木があるものの、
それを伐採せずに放置することが果たして良いのかといえば、決して正解ではありません。
資源として使えない木が残る可能性も捨てきれませんし、木がしっかり育つとも限りません。
計画的に森林伐採を行うことができなくなれば、環境問題にも影響を与えるかもしれません。
例えば、日本では海外産の木材の輸入が増加していることをご存知でしょうか。
輸入住宅も人気ですが、それによって国内林業が衰退してしまうことになれば、
森林の手入れも疎かになりかねません。
第一に言われている環境問題となるのは、「地球温暖化」防止機能の役割です。
森林は二酸化炭素を吸収して酸素を排出する、天然の空気清浄機能を果たしてくれています。
そう考えると伐採しないままのほうが、地球温暖化の抑制が期待できるイメージです。
しかし、樹齢の長い木というのは温暖化を加速させることも報告されています。
若い木と異なり、成熟すると二酸化炭素の吸収量は減少、排出する二酸化炭素量が多くなります。
環境問題から伐採もせずに放置すると、新たに植樹ができず、地球温暖化防止機能は果たせなくなります。
 

不安視される環境問題

林業では伐採をして森林の手入れを行う役割を担います。
しかし、林業に携わる有資格者は減少傾向です。
そうした手入れ不足によって起こる可能性のある環境問題が「土砂災害」です。
手入れをしている森林というのは、木々の間隔が空いています。
そこに日光が降り注ぎ、地面の草木も成長できます。
しかし、手入れが届かなくなると、地表は暗く、土壌はむき出しです。
この状態で大雨が降ると、保水力が弱く、吸収しきれなくなった雨水は
地表を流れるという土砂災害を起こすリスクがあります。
だからこそ、手入れは必要になりますし、その手入れをするための林業の担い手を募集することも必要になります。
林業の役割は、森林保全だけでなく、人材育成も大事です。
どんなに機械が導入されたとしても、最終的には人の手が加わります。
 

日本のみならず、世界で地球環境について議論されていますが、大事なことは需要と供給です。
木を伐採して植え付けるだけでなく、使うことも考慮しましょう。
林業のみならず、地球環境については、誰しもが考える時期にきているのではないでしょうか。