都会の喧騒を離れて田舎暮らしをしたいと考える人が増えている昨今。社会貢献もできる職業として林業が注目を集めています。
しかし、日常生活のなかで林業に触れる機会は少なく、どのような人が林業に向いているのかイメージしにくいですよね。本記事では、林業に向いている人の特徴8選と若年層の従事者が増えている理由を解説します。
もしかしたら、意外と思われる特徴もあるかもしれません。最後まで確認してみると、実は自分が林業に向いている性格だと気付く可能性も。ぜひ、参考にしてみてください。
林業従事者に若年層が増加している理由
農林水産省管轄の林野庁の発表で、林業に携わる若年層が他の産業に比べて増加傾向にあることが分かりました。総務省が行う国勢調査で林業従事者は長期的に減少しており、昭和55年に14万6千人いた従事者数が、令和2年には4万4千人まで減少。
しかし、35歳未満の若年層率が平成2年以降から増加傾向に転じ、令和2年には17%まで向上しています。
増加している理由として以下の項目が考えられます。
・大都会より田舎暮らしを求める傾向が高まった
・「緑の雇用」事業による若年層向けのガイダンスやセミナーが増えた
・機械化による作業効率化の進展
・木材生産量の増加を目指し、新規採用枠が拡大された
・大学などで自然や環境についての講座が増えた
今後もドローンなどIT化により安全に作業が行えるような取り組みが進むことで、さらに人材確保が促されるでしょう。
林業に向いている人の特徴8選
日常生活でなかなか目にする機会が少ない林業ですが、向いている人の特徴から意外にも身近な職業であることが分かります。
1.自然を愛する人
自然を愛している人は、まず林業に向いているといえるでしょう。山や森が好きで、昆虫や野生動物との遭遇、自然のなかに長時間いても飽きないという人は、メリットが多い仕事といえます。
2.体を動かすのが好きな人
林業の主な仕事内容は、植林のための整地や木材確保のための伐採などです。それらにはチェーンソーなど大型機械を使用したり、目的地まで歩きにくい山道を徒歩で移動したりします。デスクワークのような座ってする作業より、体を動かして作業することがほとんどなので、体力は必要でしょう。
3.柔軟性がある人
林業は自然を相手にする仕事なので、天候の変化などで作業が変更になることもあります。また、同じ場所ではなくさまざまな現場に赴き、常に新鮮な気持ちで仕事を行う点も柔軟性がある人は対応可能でしょう。
4.社会貢献に関心がある人
人間にとって必要不可欠な資源である木材を生産しているのが林業です。木を伐採するというイメージだけが先行して、林業を森林破壊の職業という印象を持っている人が少なからずいます。
しかし、実際は木を育て森を作ることこそ林業の本来の目的です。環境保全という意味でも社会貢献度の高い職業といえます。
5.几帳面な人
林業は実は細かい作業が多い仕事です。たとえば、苗木を一本ずつ植えつけたり、道具のメンテナンスが必要だったりします。また、丁寧に行わないと危険を伴う場合も。ミスを減らし、ケガを防止するためにも丁寧に仕事をすることが大切です。
6.空間認識能力が高い人
木々に囲まれた山のなかは、慣れない人にとって同じような景色に見えることから迷いやすい場所でもあります。自分の立ち位置や木の傾き具合、伐採した場合の範囲や方向など、空間認識能力が必要な仕事です。
7.朝型な人
林業は、朝日が昇ると同時に始まる仕事です。最低でも6時には起床して現場や事務所に向かう生活になります。朝型なタイプの人は規則正しい生活で健康的に過ごせるのでおすすめです。
8.資格を持っていない人
資格を持っている人や経験者が有利な転職業界ですが、林業では無資格・未経験から始めた人も多くいます。林野庁が実施する「緑の雇用」では、事前のOJTや3年間の研修などカリキュラムが充実しているので、未経験でも林業作業士として働くことが可能です。
まとめ
林業の人材不足は解消されたとはいえませんが、若年層の雇用率は年々増加傾向にあります。今後も環境問題への意識向上やIT化による安全性の確保などを通じて、注目される可能性が高い職業です。
林業に向いている人の特徴を知って、意外と自分にもできるかもしれないと感じた人も多いはずです。少しでも林業に対して興味がわいた人は1日体験やガイダンスなどに参加して実際に林業を経験してみましょう。