造林とは森林を守ることです。
森林のプロフェッショナルが手を加えることによって、自然の森林が健全に保たれるよう手を貸しているのです。
環境を守るために欠かせない造林ですが、残念ながら詳しく造林の情報を知っている方は少ないのが現実です。
造林はどのような作業をしているのかなど、詳しく見てみましょう。
【造林とはどのような作業をしているの?少し詳しく紹介】
造林の作業は大きな流れとして「植えて、育てて、切る」と説明できますが、実際はそんなに単純ではありません。
作業内容を詳しく見てみましょう。
苗木を植える:造林のすべては優良な苗木から始まります。
選りすぐりの苗木を伐採跡地に植えたり、新たな造林予定地に植えたりします。
伐採跡地をそのまま放置することは、がけ崩れなどの危険な災害や環境破壊につながるので良くありません。
下刈:下刈と呼ばれる作業は植えたばかりの苗の周りに生える雑草を刈ることを指し、
雑草が苗の育成を邪魔しないよう実施されます。
苗を植えた後約5年行われ、それ以降は植えた苗が雑草より大きくなるため行われなくなるのが一般的です。
つる切り:つる切りとは、育った植栽木にからみつくつるなどを切る作業です。
つるなどを放置すると、植栽木が変形したり枯れてしまったりとダメージを与えるのでつる切りは欠かせない作業です。
枝打:枝打とは植栽木の根元の方の枝を切る作業です。
枝打をすることで森林の風通しが良くなり、より健全な環境が整うのです。また地面まで日光が当たりやすくなり、健康な土壌作りに欠かせない根本に生える植物の育成も良くします。
間伐:間伐とは育成が進んで過密になった植栽木を間引く作業です。
これは造林作業の中でも重要な工程とされ、より優良な植栽木を育てることにつながります。
さらに根本元までよく日光が届くので土壌の環境作りにもなります。
伐採:最終作業である伐採は、植栽木を切り倒すことです。
植栽木が倒れる方向を計算しながら行う必要があり、シンプルですが危険な作業です。
大きな流れは想像できても、細かい作業についての情報はあまり知られていません。
造林がどれほど森林の健全な環境作りに役立っているかがわかりますね。
造林は木を切ることより、丁寧に手入れをして森林を大切に育てることが中心の作業と言えます。
【造林とは歴史ある作業】
木材を使った生活は古くからされてきましたが、飛鳥時代からは多くの木材を建材として使うようになりました。
寺院などを建築するためです。
法隆寺や東大寺大仏殿が飛鳥時代に建立されたことを見れば、大量の木材が必要とされたことが想像できます。
その後も伐採がどんどん進み、森林の劣化が目立ち始め結果的に洪水や土砂災害も起こるようになります。
そして様々な時代を経て今のような造林技術ができたのです。
江戸時代には造林のシステムがあったというので、造林の歴史の深さがわかりますね。
【造林の必要性とは】
造林は江戸時代頃には行われていたと言われています。
木を切って使うばかりでは枯渇するので、植えて使うということが行われてきたのです。
現代再造林を放棄して問題になっている事例もありますが、
造林とは森林保全のための作業ということを思えば再造林放棄などあってはならないとわかりますね。
正しい知識を持ったプロフェッショナルが造林をするから、安心して木材を使えるのです。
しかし自然相手だから造林は大変なことも多く、若者の新規参入も厳しい状況と言われます。
そんな状況を打破するため「緑の雇用」や「低コスト造林」といった試みがされ、
造林がいかに大切な存在として扱われているかがわかります。
【まとめ】
造林作業を詳しく見てみましたが、思った以上に作業内は多いものでしたね。
生活の中で木に触れない日はないと言って良いほど身近な木材ですが、
木材の原点である造林について情報を持つ方は多くありません。
造林は環境保全に欠かせない大切な作業である上に、
木を使った生活に欠かすことのできないものであることがわかりました。