「伐採」という言葉を聞いた時どのようなことを想像しますか?
「自然、森林破壊」「地球温暖化」というように、
あまり良いイメージを持たないという方もいるのではないでしょうか?
いわゆる世間一般で言われるところの「自然破壊」は、本来の自然の回復力を
圧倒的に超えた木を切り倒してしまうことを意味しており、
世界のあちこちでこのような伐採が行われていることも事実です。
しかし、本来伐採は自然を守っていくために必要な作業なのです。
そこで、今回は、伐採がどのような目的で行われるものなのか、
また、身近な場所ではどのような伐採が行われているのかを紹介いたします。
伐採のイメージ
森林の伐採と聞くと温暖化対策として
やってはいけないことのようなイメージを持つ方も多いでしょう。
ではなぜそのようなイメージを持つような行き過ぎた伐採が起こってしまうのでしょうか。
行き過ぎた森林伐採が進む理由
森林伐採が世界各地で起こるのは複雑な原因が絡んでいますが、
下記の3つの目的のために伐採が進められると言われています。
・建築や家具に使用する木材を生産するため
・薪炭の原料として使用するため
・農地や施設を作るため
自然破壊というのは上記理由により過度に行われる伐採で、
主に皆伐や択伐と呼ばれるものです。
メディアでよく取り上げられることにより世間一般のイメージが
「伐採=自然破壊」として定着してしまいました。
確かに行き過ぎた伐採は、生態系を大きく揺るがし、
土砂崩れや自然の浄化機能を失わせる原因になります。
海外での森林破壊
行き過ぎた森林伐採によって自然破壊されている例は
先進国・途上国問わず世界中で起こっています。
極東ロシア
極東ロシアの沿海地方の広大な森は大規模な違法伐採や伐採による
乾燥化で起こる森林火災によって42%影響が受けていると言われています。
森が減ることで、森に暮らしている野生動物たちも減少し、
生物多様性が失われかけています。
また、極東ロシアから日本に輸入される木材には
違法に伐採されたものが約4割を占めています。
インドネシア
インドネシアのスマトラ島ではかつて島全体を覆っていた熱帯林が
この100年間で急激に失われており、今のまま伐採が進むと近い
将来に消滅するかも知れないと言われています。
木材、紙パルプ、ヤシ油などの資源の原料として利用、
農牧場をつくるための焼却、鉱山開発などが原因で森林伐採が進んでいます。
マレーシア
マレーシアでは主にパーム油を産出するために森林伐採を行っています。
このままのペースで森林伐採が進むと熱帯林が無くなってしまうため、
違法伐採防止のために近年では違法伐採の取り締まりが強化されている。
ブラジル
ブラジルは世界最大の熱帯雨林アマゾンを保有している森林大国ですが、
世界で最も熱帯雨林を消費している国でもあります。
2016年には前年より29%もアマゾンの森林面積が減少しました。
主に牛肉や大豆などの農作物の栽培に伴う違法伐採が進んでいます。
このように世界各国で森林破壊が進んでいるのが現状です。
ところが、これはあくまで伐採が地球に及ぼす影響の一面に過ぎません。
時に伐採は自然環境を保つために行われることもあります。