本来行なうべき伐採とは?
伐採にはいくつかの重要な役割があります。日本は現在国土の68%が森林であり、
森林大国と呼ばれるカナダの森林率を上回る数字となっています。
緑豊かというのは大変喜ばしいことですが、土地に対して木の密度が高すぎると、
かえって自然環境に悪影響を及ぼすことがあります。
木が増えすぎることで出る影響
木の枝葉が茂りすぎると、隣接する枝葉と重なりあって日光を遮るようになり、
昼間でも日光が十分に地面に行き渡らず、様々な植物の生長に悪影響を及ぼします。
それにより、地表の栄養は全て雨などで流れだしてしまい、
木も満足に栄養を吸収できず、根も十分に張れない弱々しい木になってしまいます。
こうした弱い木でできた林は「線香林」と呼ばれ、風雨で折れやすくなったり、
土砂崩れが起きやすくなったりします。この「線香林」を間引く作業を間伐とも呼びます。
また、ご存じの通り木は光合成をして大気中の二酸化炭素を吸収し、酸素を排出します。
一方で木も呼吸をして酸素を取り込み、二酸化炭素を排出もします。
若木は二酸化炭素の排出量よりも吸収量の方が多いのですが、
成長すると排出量の方が多くなってしまいます。
なので、十分に成長した木は伐採して、若い木を植林して
育てることで森林全体の炭酸ガスの吸収力を高めることができます。
身近な場所での伐採
木は人の心を和ませる効果があると言われており、家庭では園芸の楽しみのため、
街中では景観の保護や道路の安全のため、あらゆる場所に植えられていますが、
下記のような条件に当てはまる場合は注意が必要です。
・家の周りに植えていた防風林の影響で日当たりが悪い
・木が病気になり、内部で腐敗が進んでいるため倒れる恐れがある
・花粉症が酷いため、家の前にあるスギを除去したい
このような、症状が見られる場合、木が倒れる、日常生活に
支障が出るという問題が起きることもありますので、状況によっては伐採する必要があります。
伐採はどのように行なわれるのか?
伐採は樹木の枝を切断したり、形を美しくしたりするための剪定と違い、
樹木を根元から切断することです。
簡単に説明すると、木を切り倒す作業ですが、
作業中には気をつけなければならないポイントがいくつも存在します。
森林伐採の注意点
森林で伐採を行う際には、集材したり、後に木を加工したりするためのスペースを確保し、
作業する人にも危険がないように以下のことに十分注意しながら行う必要があります。
・木の周辺の地面の凸凹
・木をどの方向に倒すのか?
・立木はどのように生えているか?
・風はどの方向に吹いているか?
傾斜地に存在する森林の木を伐採する場合は、倒れた後の木が滑り落ちたり、
勢い余って折れたり割れたりしないように行います。
また、正しい方向に木を倒すためには、まず受け口を作り、
反対側に追い口を作り、受け口の斜めに切り込んだ部分が追い口の面と合うよう作業していきます。
チェーンソーなどを使う場合は「先回し切り」と呼ばれるチェーンソーの刃先を動かす方法で切ります。
単純に伐採と言っても、伐採の途中に木が割れてしまったり、思ってもみない方向に
倒れたりすることもあり大変危険です。
伐採の経験がないという方は、経験豊富な業者や専門家に任せた方が良いでしょう。
まとめ
伐採と言うと、環境を破壊してしまう行為に結びついてしまうのではないか?
という考えに直結してしまう方もいるかもしれませんが、時に人間が
適切な手入れをしないと、滅んでしまう木や森林があるということも忘れてはなりません。
私有地やお庭に、「伐採したいけれど、自分ではちょっと無理そう…」
という木がある場合は、業者に頼ってみるのも良い方法です。
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2020.09.18